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スレッド つぶやき

【LOVE】防衛部絵師語るスレ【HK】

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881:たぬき 2019/09/01 07:02
それで、貴下にお逢いする迄までもなく、貴下の身辺の事情、容貌、風采ふうさい、ことごとくを存じて居ります。貴下に女の読者がひとりも無いのは、確定的の事だと思いました。貴下は御自分の貧寒の事や、吝嗇りんしょくの事や、さもしい夫婦喧嘩げんか、下品な御病気、それから容貌のずいぶん醜い事や、身なりの汚い事、蛸たこの脚なんかを齧かじって焼酎しょうちゅうを飲んで、あばれて、地べたに寝る事、借金だらけ、その他たくさん不名誉な、きたならしい事ばかり、少しも飾らずに告白なさいます。あれでは、いけません。女は、本能として、清潔を尊びます。貴下の小説を読んで、ちょっと貴下をお気の毒とは思っても、頭のてっぺんが禿はげて来たとか、歯がぼろぼろに欠けて来たとか書いてあるのを読みますと、やっぱり、余りひどくて、苦笑してしまいます。ごめんなさい。軽蔑したくなるのです。

882:たぬき 2019/09/01 07:48
 菊子さん。だいたい、こんな手紙を書いたのよ。貴下、貴下とお呼びするのは、何だか具合が悪かったけど「あなた」なんて呼ぶには、戸田さんと私とでは、としが違いすぎて、それに、なんだか親し過ぎて、いやだわ。戸田さんが年甲斐としがいも無く自惚うぬぼれて、へんな気を起したら困るとも思ったの。「先生」とお呼びするほど尊敬もしてないし、それに戸田さんには何も学問がないんだから「先生」と呼ぶのは、とても不自然だと思ったの。だから貴下とお呼びする事にしたんだけど、「貴下」も、やっぱり少しへんね。でも私は、この手紙を投函しても、良心の呵責かしゃくは無かった。よい事をしたと思った。

883:たぬき 2019/09/01 08:35
もっと御本を読んで哲学的教養も身につけるようにして下さい。

884:たぬき 2019/09/01 09:11
名前出された誰かがキレてるのかな?

885:たぬき 2019/09/01 19:19
教養無いから本読めってハルが上司に言われてたよね

886:たぬき 2019/09/01 22:16
名前出された誰かだとしてもキレ方がいかれてる

887:たぬき 2019/09/01 23:53
キリストの愛、などと言い出すのは大袈裟おおげさだが、あのひとの教える「隣人愛」ならばわかるのだが、恋愛でなく「異性を愛する」というのは、私にはどうも偽善のような気がしてならない。
 つぎにまた、あいまいな点は、「一体になろうとする特殊な性的愛」のその「性的愛」という言葉である。
 性が主なのか、愛が主なのか、卵が親か、鶏が親か、いつまでも循環するあいまい極きわまる概念である。性的愛、なんて言葉はこれは日本語ではないのではなかろうか。何か上品めかして言いつくろっている感じがする。

888:たぬき 2019/09/01 23:54
つまり私は恋愛の「愛」の字、「性的愛」の「愛」の字が、気がかりでならぬのである。「愛」の美名に依って、卑猥感ひわいかんを隠蔽いんぺいせんとたくらんでいるのではなかろうかとさえ思われるのである。
「愛」は困難な事業である。それは、「神」にのみ特有の感情かも知れない。人間が人間を「愛する」というのは、なみなみならぬ事である。容易なわざではないのである。神の子は弟子たちに「七度の七十倍ゆるせ」と教えた。しかし、私たちには、七度でさえ、どうであろうか。「愛する」という言葉を、気軽に使うのは、イヤミでしかない。キザである。

889:たぬき 2019/09/01 23:54
またかよ

890:たぬき 2019/09/01 23:56
寝てもさめても、れいの「性的煩悶」ばかりしている故に、そんな「もののはずみ」だの「きっかけ」だのでわけもなく「恋愛関係」に突入する事が出来るのかも知れないが、しかし心がそのところに無い時には、「きっかけ」も「妙な縁」もあったものでない。
 いつか電車で、急停車のために私は隣りに立っている若い女性のほうによろめいた事があった。するとその女性は、けがらわしいとでもいうようなひどい嫌悪けんおと侮蔑ぶべつの眼つきで、いつまでも私を睨にらんでいた。たまりかねて私は、その女性の方に向き直り、まじめに、低い声で言ってやった。
「僕が何かあなたに猥褻わいせつな事でもしたのですか? 自惚うぬぼれてはいけません。誰があなたみたいな女に、わざとしなだれかかるものですか。あなたご自身、性慾が強いから、そんなへんな気のまわし方をするのだと思います。」

891:たぬき 2019/09/01 23:59
私の隣の家では、朝から夜中まで、ラジオをかけっぱなしで、甚だ、うるさく、私は、自分の小説の不出来を、そのせいだと思っていたのだが、それは間違いで、此の騒音の障害をこそ私の芸術の名誉ある踏切台としなければならなかったのである。ラジオの騒音は決して文学を毒するものでは無かったのである。あれ、これと文学の敵を想定してみるのだが、考えてみると、すべてそれは、芸術を生み、成長させ、昇華させる有難い母体であった。やり切れない話である。なんの不平も言えなくなった。私は貧しい悪作家であるが、けれども、やはり第一等の道を歩きたい。つねに大芸術家の心構えを、真似でもいいから、持っていたい。

892:たぬき 2019/09/02 00:00
ミケランジェロだって、その当時は大理石の不足に悲憤痛嘆したのだ。ぶつぶつ不平を言いながらモオゼ像の制作をやっていたのだ。はからずもミケランジェロの天才が、その大理石の不足を償って余りあるものだったので、成功したのだ。いわんや私たち小才は、ぶん殴られて喜んでいたのじゃ、制作も何も消えて無くなる。
 不平は大いに言うがいい。敵には容赦をしてはならぬ。ジイドもちゃんと言っている。「闘争に生き、」と抜からず、ちゃんと言っている。敵は? ああ、それはラジオじゃ無い! 原稿料じゃ無い。批評家じゃ無い。古老の曰いわく、「心中の敵、最も恐るべし。」私の小説が、まだ下手くそで伸び切らぬのは、私の心中に、やっぱり濁ったものがあるからだ。

893:たぬき 2019/09/02 07:58
戸田さんの家は郊外です。省線電車から降りて、交番で聞いて、わりに簡単に戸田さんの家を見つけました。菊子さん、戸田さんのお家は、長屋ではありませんでした。小さいけれども、清潔な感じの、ちゃんとした一戸構えの家でした。お庭も綺麗に手入れされて、秋の薔薇ばらが咲きそろっていました。すべて意外の事ばかりでした。玄関をあけると、下駄箱の上に菊の花を活けた水盤が置かれていました。落ちついて、とても上品な奥様が出て来られて、私にお辞儀を致しました。

894:たぬき 2019/09/02 07:58
「晩年」は、私の最初の小説集なのです。もう、これが、私の唯一の遺著になるだろうと思いましたから、題も、「晩年」として置いたのです。
 読んで面白い小説も、二、三ありますから、おひまの折に読んでみて下さい。

895:たぬき 2019/09/02 11:44
 あのね、読んで面白くない小説はね、それは、下手な小説なのです。こわいことなんかない。面白くない小説は、きっぱり拒否したほうがいいのです。
 みんな、面白くないからねえ。面白がらせようと努めて、いっこう面白くもなんともない小説は、あれは、あなた、なんだか死にたくなりますね。
 こんな、ものの言いかたが、どんなにいやらしく響くか、私、知っています。それこそ人をばかにしたような言いかたかもわからぬ。

896:たぬき 2019/09/02 11:47
くるしさは、忍従の夜。あきらめの朝。この世とは、あきらめの努めか。わびしさの堪えか。わかさ、かくて、日に虫食われゆき、仕合せも、陋巷ろうこうの内に、見つけし、となむ。
 わが歌、声を失い、しばらく東京で無為徒食して、そのうちに、何か、歌でなく、謂いわば「生活のつぶやき」とでもいったようなものを、ぼそぼそ書きはじめて、自分の文学のすすむべき路みちすこしずつ、そのおのれの作品に依って知らされ、ま、こんなところかな? と多少、自信に似たものを得て、まえから腹案していた長い小説に取りかかった。

897:たぬき 2019/09/02 12:22
主いたらアク禁して

898:たぬき 2019/09/02 12:57
本人がやってるのか囲いがやってるのか知らないけど単純に迷惑だわ

899:たぬき 2019/09/02 13:03 1
 けれども私は、自身の感覚をいつわることができません。くだらないのです。いまさら、あなたに、なんにも言いたくないのです。
 激情の極には、人は、どんな表情をするでしょう。無表情。私は微笑の能面になりました。いいえ、残忍のみみずくになりました。こわいことなんかない。私も、やっと世の中を知った、というだけのことなのです。

900:たぬき 2019/09/02 13:03
え、ちょっとアク禁してよこれ

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