あんスタヲチ兼雑談スレ1639

狭い6畳のアパートで私と斑は愛を渡し合う。重ねた唇からは昼下がりに食べたばかりのマフィンの香りがただよっていて、初夏の太陽がやさしくふたりの肌を焼く。暑がりの斑が肉厚な体で私をきつく抱きしめる。あまい柑橘系の匂いとこぼした精液のにおいが汗と混じり合って、私の世界は斑だけになる。獣のように、しかし花に水をやるように優しく優しく肉欲を散らす。ふと、腕の中の斑が天井を見上げへらりと笑った。目線の先、斑が普段休息をとっているロフトから脱ぎっぱなしの靴下が飛び出ていた。ダメ人間だ、もうおとななのに。そう言ってたんぽぽのように笑う斑に、どうしようもない焦燥感がこみあげ胸が締めつけられた。彼はもうすぐ、私だけのものではなくなってしまう。この声も、ぜんぶ。ああいやだ。駄々を捏ねるこどもの私は鈴のような笑い声ごと、いまは唇を飲み込んだ。二週間後、うるさい蝉が羽化した